「…慎也さんが星南ちゃんではなく、私を選んだってこと」


頭を、殴られた気がした。


だけどそれは一瞬で、私はすぐに持ち直す。


慎也が栞ちゃんを選ぶはずはない。


私はずっとソバにいたからわかる。


「慎也は裏表のあるやつを一番嫌う。裏表のある栞ちゃんを選ぶとは思わねぇけど?」


「なら、コレ見たら諦めてくれるよね?」


そして見せられたのは携帯の画面。


そこには、キスをする慎也と栞ちゃんが写っていた。


なんでっ、こんなものが…っ?


慎也は本当に栞ちゃんを選んだのか?!


「ふっ。わかったでしょ?もう慎也さんは私のものよ。だから、姫は2人もいらないわ」


「っ!」


ヤバイ。


そう思った時にはすでに遅くて。


私は栞ちゃんによって階段から突き落とされた。


「ぅっ!」


意識が途切れそうな中、見えたのは笑顔の栞ちゃんだった。


それが最恐の影だった私の…最後の記憶。