「なるほど。…星希はなぜ星南さんをここに連れて来たんですか?」


あ、それは私も思った。


お兄ちゃんはどうしてここに私を連れてきたんだろう。


聞いても何も教えてくれなかったし。


さすがにもう教えてくれるよね?


そんな思いを込めて、お兄ちゃんが話すのをじっと待つ。




「笑顔が見たかったから…だな」


「笑顔?」


なんで笑顔なんだろう。


私、笑ってたはずなんだけど…。


お兄ちゃんは苦笑して、その理由を話してくれた。


「本当の笑顔が見たかったんだよ。星南はさ、わからないことだらけで、周りに馴染むのに必死でな。笑顔だけど、心から笑ってないって」


本当の笑顔…か。


ちゃんと笑ってるつもりで笑えてなかったんだ。


お兄ちゃんにもバレてるくらいだ。


きっとお母さんにもバレてるよね?


「それと、お前らは大切な仲間だからな」


ふむ、お兄ちゃんは幹部?のみんなを相当信頼しているようです。


それなら、私が言う事は1つだけ。