「高校入学って…。よく今までバレなかったっね。星希さんの妹ならすぐに噂になるはずなのにっす」


すぐにって…そんなにお兄ちゃんって有名なんだ。


家でのお兄ちゃんからじゃ、全然想像出来ないや。


「星南はもともと違う学校だからな」


「え?そうなんですか?」


「てことは、転校生?」


「そういうこと。こいつ、階段から落ちて記憶喪失になってな。これを機に実家に戻すことになったんだよ」


1通り説明が終わったお兄ちゃんは、私の頭をぐしゃぐしゃと撫で回した。


か、髪の毛が!!


恨みを込めて、お兄ちゃんをじとりと睨む。


気づいてないフリしてるけど、冷や汗をかいてるの丸わかりだよ…。