memory〜紅い蝶と私の記憶〜

「…待ってる。俺は大丈夫だ。だから気にせずにやることをやってこい」


「うん!ありがとう!」


つき君はまたにこりと笑うと、私に背を向けて倉庫の外へと歩き出す。


「じゃあ、僕たちも〜」
「やるべきことが終わるまで」

「「待ってるね〜!」」


太陽のような笑顔を見せると、手を振りながらつき君のあとを追う晴天と太陽。


「…まぁ、焦らずやな。自分の思ってること、しっかり伝えてきぃや!」


「うん。ありがとう」


もう後ろは向かない。


前だけを見るよ。


私の返事に、「行ってこい!」と背中に激励をくれた庵。


馬鹿力め…。


でもありがとう。


「…昶」


ずっと待たせてごめん。


やっと本当の気持ちがわかったよ。