memory〜紅い蝶と私の記憶〜

「前の学校には戻らない。moonとは同盟を組んでるしね!また遊びに行かせてもらいます!」


私の言葉に安心したのか、みんなほっと息を吐いた。


「これで全て話したけど、質問とかある?」


「んーや、ないな」


「…なら、俺たちは倉庫に帰る。星南も連れていくぞ」


「おう。…星南のこと頼んだぞ、築路」


「…ああ」


どうして私のことをつき君に頼むのかわからないけど…。


お兄ちゃんの気持ちはすごく伝わってきたよ。


「…星南、行くぞ」


「…つき君、私やることがまだあるんだ。少し待っててくれないかな?」


つき君の目を逸らすことなく見つめる。


つき君は私の言いたいことがきっとわかったんだよね。


一瞬不安そうな顔をしたけど、それは本当に一瞬で。


にこりと笑うと、優しく私の頭を撫でてくれた。