「さて、と」


「ひぃっ!!」


…ちょっと近づいただけで悲鳴は傷つくんだけど。


「おいおい、怖がらせんなや」


そう言いつつ、ニヤニヤしてるからイラつくんだけど。


つーか、お前の彼女だろ!!


「庵うるさーい」


「庵の顔面うるさーい」


「最後!!最後のは悪口やろ?!」


「はぁ…」


緊張感ゼロだな。


まぁ、それが紅蝶らしいけど。


「えーっと、伊達満-ダテ ミツル-って言ったな。どうして俺が弱点と思ったわけ?」


紫龍会のトップの名前が違うから驚いたぜ。


前のやつは敵対はすれど、あまり紅蝶とは関わりたくないといった感じだったしな。


「こ、紅炎はっ、顔を見せないからっ!脅して聞いても誰も口割らねぇからっ!!だからっ…みんな紅炎を大切にしてると思ったんだ!!!」


…おい、脅されてたなんて聞いてねぇぞ。


そんな意味を込めて、後ろにいる幹部メンバーを睨みつけると、築路はそっぽ向いてるし、双子は手を横に振ると、庵を指差している。



指を差された本人は「違う違う」と手をブンブン振っているし。