だけど、ごめんね。


私はやっぱりこの大切な記憶を思い出してよかった。


今も不安そうにこちらを見つめるつきくん。


私は、つきくんの、紅鬼の影である紅炎。


元々は喧嘩なんて出来ない普通の女子中学生だった。


だけどいろいろあって、私は転勤で隣町で暮らすお父さんの元へと行くことになって。


そこでお父さんの仲間と出会い、喧嘩を教えてもらって。


気持ちを整理できない時は街へと行くようになっていた。


そこで出会ったのがつきくんや庵たちだった。


何回もしつこく勧誘されるうちに、一緒にいるのが楽しくなって紅蝶に入った。


それからは本当に楽しくて。


毎日が輝いていた。


中学の卒業式ではつきくんに告白されて付き合って。


いつの間にか半同棲してて。


気づいたら家に帰らなくなってて。


それくらいつきくんのソバはすごく居心地がよかった。