「星南」


「っあ」


ビクリと肩を揺らす私に、築路は安心させるように微笑んだ。


その微笑みに肩に入っていた力がすぅ…とぬけていくのがわかる。


築路の笑顔すごい。


「大丈夫。星南のことは俺たちが守る。もう…あんな思いは嫌なんだ」


「あ…」


…待って。


記憶をあっさり手放した私がなんて声を掛けるの?


わからない。


私は…どうしたい?


このままでいたい?


…ううん、思い出したい。


だけど…。


動かない頭をフル回転するが…全っ然思いつかない。


うぅ…っと頭を抱えていると。


ピリリリッと着信を知らせる音が部屋中に響き渡った。