「星南〜?」


「おにぃ…ヒック…ちゃん…っ?」


「星南?!どうしたんだ?!」


いつの間にか帰ってきたお兄ちゃんが部屋に入ってきて、泣いている私に驚いて駆け寄ってきた。


それがすごく嬉しくて、お兄ちゃんが近くにいると安心して、私はお兄ちゃんに抱きついた。


そんな私にお兄ちゃんは抱きしめてくれて、頭をゆっくりと優しく撫でてくれた。


「どうした?怖い夢でも見たのか?」


ふるふると横に首を振る。


「何がそんなに星南を不安にさせてるんだ?」


わからない。


私にもわからないよっ。


言葉は出ず、ただ涙だけが出てくる。


「星南。その不安な思い、お兄ちゃんにも半分わけてくれないか?」


「半分…?」


「そう、俺はいつまでも星南の味方だ。可愛い妹がこんなに泣いてるのにほっとけない。それとも、俺じゃ役不足かな?」


違うっ!!


そんなことないよ!!


ぶんぶんと首を横に振ると、お兄ちゃんがくすくすと笑ったのがわかった。


そんなに笑わなくても…。