「美鈴っ!!!」


お兄ちゃんの叫び声に、一気に意識が戻る。


なに?


何があったのっ?!


柵から少し身を乗り出し、下の階を見る。


そこには左手を押さえ、苦しそうな顔をしている美鈴ちゃんが。


美鈴ちゃんっ?!


いつも笑顔の美鈴ちゃんのあんな顔…初めて見るっ。


お兄ちゃんは怖い顔をして相手を睨みつけている。


多分、お兄ちゃんが睨んでいるあの人こそが、美鈴ちゃんを苦しめている本人。


美鈴ちゃんやお兄ちゃん、幸助先輩や高松くん。


みんなが戦って、辛い思いをしていても私は何もすることが出来ないっ。





私は…。







「役立たずだっ」