最初は怒鳴り声だけだった。


だけど、少しすると聞こえ始めてきた生々しい音たち。


その音たちは耳を塞ぎたくなるような音で。


だけど、お兄ちゃんたちはこの世界に身を置いている。


それは姫である私も例外ではないのだ。


だから…私はこの音から、この世界から耳を塞いではいけないんだ。


これからもみんなの傍にいるためにも。


…とは思ってみたものの、みんなの〝ケンカ〟を見てみたくてウズウズしてきてしまった…。


意外と音にはすぐに慣れたし。


少しくらいなら大丈夫…だよね?


見つからない内に戻ればいいし!


そうと決まればすぐ行動!


っと、その前に着替えよう。


制服はちょっと動きづらいし。


確かお兄ちゃんがよく寝泊まりしている部屋にパーカーがあったような…。


あ、あった!!


白色のパーカーは私には少し大きいけど、見た感じこれが1番良さそう。