妹の受験勉強にも付き合っていたが、途中で投げ出すことになってしまった。



中学生の頃から追っていた、あの野球漫画の最新刊の発売日はたしかもうすぐだった気がする。



考えれば考える程、生きている間はどうでもよかったことが、後悔として溢れてくる。



そりゃあまだ二十歳なったばかりで死んでしまえば、やり残したことは山ほどあって、傍から見れば中途半端なことでも、自分にとっては大切なことで、死んでも死にきれないを本当の意味で実感した。




彼女は、どうしているだろう。



待ち合わせは12時半に駅前で。



あの日は久しぶりのデートで、長らく放置してしまったお詫びに彼女のやりたいことをしようと、プランを一緒に考えた。



スマートフォンを一緒に覗いては、行き尽くした東京の観光地を調べ、約束した。



ずきんと胸が痛む。


なんで死んでしまっても感情は残っているのだろう。