青蝶を包む朱い羽



「助けもしなかったのに!」


私が悪いから・・・


「できるわけねぇだろ!」


やっぱり・・・


「今更っ父親ぶってるだけじゃない!」

「このっ!」

「もうやめてっ!」


胸ぐらを捕まれ今にも殴られそうな
凪穂は私の方に目をやり、
驚いていた。


「もう・・・やめてください・・・
私・・私が・・悪い・・から」


誰かが争うのは見たくない。
傷つけあうなんてしてほしくない。
それが大切な人の後輩であるなら
なおさら・・・壊したくなんてない。


「1人に・・してください」


それから、何も誰も喋らずに、
私を空き教室につれてきてくれた。
ベットにテレビ、冷蔵庫、ソファ、
お風呂・・・ほとんどの物がそろっていた。

そうだ・・・


「もしもし・・・はい・・・それで、
今日から学校から通おうかと思いまして、
住むことには何の問題もないんです。
だから、莉月には・・・ごめんなさいと
伝えてください」


何かを言われる前に、携帯をきり、
電源を落とした。
ここのドアは頑丈なもので、そこらの人では壊せるわけもない。
鍵を閉めておけば、誰も来ない。