「仕方ない。日が暮れる前に建物に戻って、森の中を歩けるかどうか考えよう」


「そうだね。それにほら、建物に戻れば電話があるじゃん!」


そう言ったのは伶香だった。


その言葉に一瞬にしてみんなの表情が明るくなった。


「そういえばそうだな。最初から電話を使って助けを呼んだ方がよかったかもね」


あたしはそう言い、苦笑いを浮かべたのだった。