「あんたたち3人が仲間割れすると、あたしと弘明の2人で問題を解決しなきゃいけない事になるんだよ!?」


「そう……だけど……」


あたしは伶香の言葉にまた泣きそうになってしまった。


他の人たちに迷惑をかけていると理解しているから、余計に辛い。


「みんな、あの部屋に入ったから今は感情的になりやすいんだ。気にする事ない」


弘明までが心配してくれて、そう言ってくれている。


あの部屋の影響がまだ出ているという可能性は確かにあった。


と、言う事は。


やっぱり泣き叫んでいた郁美が、本当の郁美の姿だと言う事なんだ。


「正直、明日花のしてきたことはショックだったよ。だけど、俺は最初から明日花の事しか見てなかったんだ」


健があたしの手をさすりながらそう言った。


「隣に郁美がいてもいなくても、そんな事は関係なかったと思う」


「健……」


健はこんなあたしを許してくれるつもりだ。


「はいはい。ラブシーンは後にしてね」


伶香がちゃかしてそう言う。


「そうそう。俺たちだって我慢してんだからな」


弘明がそう言い、伶香を見る。


伶香は照れたように顔を赤くして「やめてよ」と、文句を言った。


そのやり取りにあたしは思わず笑ってしまった。


「よし、じゃあ明日からの行動を決めて行くか」


健がそう言い、あたしは「うん」と、頷いたのだった。