「ああーーーーー」




もう、なんか色んなことがあり過ぎてため息すらもでてきやしなかった、



「こんにちは」




そんな声と同時に目の前には見覚えのあるような顔がすぐそばにあった。





「あっ!」




「昨日はどーも」




ニコッと笑う彼は昨日芝生であった男の子だった。






嫌な予感しかしなくて、逃げようとしたけど……





「逃がさないよ」



そんな声と同時に行く手をふさがれ、青ざめる私。





その男は私の腕を無理やり掴む。




私の鼓動はバクバクとなり始め、息を切らしてしまう。





「……っ、」





そんな私の様子に気がついたのか男は手を離して私に駆け寄る。






でも、それは、私にとっては逆効果にしかならなくて。





「だ、大丈夫だから……っ……近づかないで……!」




苦しい中で必死に出した精一杯の言葉。




私と彼の間には距離が開く。





肩を上下して深呼吸を繰り返した。




落ち着きを見せると彼は、今いる場所から話しかけた。





「間違ってたらごめん。もしかして男苦手とか?」





男の人だけだったら、どんだけいいんだろう。





「まぁ、そんな感じ……」






「へぇー」





そういう彼の顔はなんか、悪魔のように見えて。





「なんか、変な事考えてないよね?」





「は?」




「いや、何でもない」





そう言って屋上を出ようとすると頭の上に何かが乗った。





その何かは、私が上を見た瞬間、私の横にあって。





それは私が汗だくになってまで探していた、





「リボン……っ!」





取ろうとすると、そのリボンはひょいっと彼のバックの中へ消える。




「返して!」





「返してもいいけど、条件がある」




「は?」





その瞬間、目の前の男がにやりと笑った気がして





「俺と住んでよ」




「えっ?……はぁ?!」



一瞬頭の中が真っ白になったけど、冷静になって




「だから、俺と一緒に住んでよ。」




「何言って……」




「ずっとなんて言ってない。
100日の限定で」





「ばかなの?昨日あったばっかりの知らない男と一緒に住むわけないでしょ?!ほか当たって!」




そう言って屋上のドアに手をかけた時。





「これはいいのー?」






「別にいい。買えばいいし」






そう冷たく言い放って屋上を後にした。