6時半なのに、辺りは暗くなりはじめていた。
私は家の最寄りの駅の3つ前の駅に降りた。
5分くらい歩くと見えるのは私の第2のお気に入りの場所。
そこは辺り一面緑で少し行くと川もあって、静かな芝生。
ここでゆっくり歌うのが好き。
誰もいないから、大きな声で歌ってもいいし。
「んふふんふふ〜♪」
気付くとスマホの時計が10時を過ぎていた。
あの電車は最終が10時半。
慌てて電車に乗り込んだ。
「ただいま……」
帰ってくるはずないのにつぶやいてしまうのは、なんでだろう。
くせなのだろうか。
だとしたら、クセほど怖いものはない。
さっき帰りに買ったコンビニ弁当とオレンジジュースをテレビをつけて食べ始めた。
毎日この繰り返し。
学校に行って、帰りに芝生で歌を歌って、ご飯を食べて、そして寝る。
変わるものっていったら、コンビニ弁当の種類くらい。
何のために生きているのか。
何のために産まれたのか。
こんな生活の繰り返しで生きてていいのかな……なんて思ったりもする。
昔、誰かが言ってた。
人は生きる理由があるから、生きるんだって。
守るものがあるから、どんなことがあっても生きるんだって。
何もない私はどうなるの……?
考えても一生答えがでなそうなことを考えながら眠りについた。

