「今日は文化祭後の片付けだ。終わったところからチェックしてOKもらったやつから帰っていいぞー」
みんなが一斉に動き出す。
少し遅れて私も席から立ち上がる。
満タンのゴミ箱から袋を取り出し裾を結んでベランダにあるゴミを持った。
多いなぁ……。
三往復くらいしないとだ……
ため息してたって終わんないし……行くかっ!
ごみ捨て場に行くまでには草で覆われた細い道を抜けなければない。
今は昼間だけど夜にはほんとに幽霊でも出そうなほどだ。
だから、ごみ捨ては行こうとする人がいない。
それが私にとっては好都合なわけ。
私がいつものように細い道わ歩いていると、草むらからカサカサと音が……
ちょっ、とまってよ……
今日は、無風なんたけど……
まさか、出た……?
「……えっ……?」
細い道から外れて少し草むらを進んだところに見えたのは、
「ブラウン、男……?」
なにか話してるみたいだけど、私にはぶつぶつとしか聞こえてこない。
「ニャーァ」
ニャ、ニャーー??
「お前かわいいなぁー」
少し草むらを進むとブラウン男の声もはっきりしてきて、話し相手も見えた。
「猫かあ……」
「ご飯だぞ……」
「ミャー」
この様子だと結構前からいたんだなぁ
てか、ブラウン男猫とか好きなんだ。
どっちかというと猫とか動物は好きじゃないと思ってた。
「意外かも……」
「なにが?」
「だから、ネコ好きなんだなって……わおっ!」
「わおっ!って、俺は幽霊かよ」
「い、いつの間に?」
「今さっき」
「こいつ可愛いだろ。お前と会う前な俺ここが俺のサボリ場所だったんだよ。ここ通るヤツあんまいないだろ?その時この子に会ってさー。ミャーミャーっと寄ってくんの。今思えばその時持ってた焼きそばパンのにおいについてきたのかもな」
「家で飼えばいいのに」
「この子にはちゃんと家あるんだよ。俺がここに来るとこの猫も来るの。」
つまり……
「猫にも自意識過剰ってことね」
「お、乃愛も好かれてんなー」
「抱っこしてほしんじゃねぇの?」
ほらっと猫を抱きかかえて私にそっと渡された。
ミャーミャーと鳴く猫をじっと見つめた。
「かわい……」
「だろ?動物に好かれるヤツに悪いやつはいねぇよな」
「なぁ、3人で写真撮らねぇ?……ヤダって言っても取るけど」
そう言ってズボンのポケットからスマホ取り出す。
「乃愛ー、はい、チーズっ!」
私とブラウンの間に猫ちゃん。
猫のおかげで私たちの間の距離がちょっとだけ……縮んだ気がした。

