涙花が咲く頃に


「おはよう、乃愛」


「……はよ」



そして、ノートを渡す。


「キムチモツ鍋かー俺挑戦したことねぇな。」

ぺらぺらとめくるおとが静かなリビングに響く。

「あのさ、作らないでよ。食べないから」



「鍋はみんなで食べるもんじゃん。乃愛食べよーぜ」



「一人も二人も変わんなくない?」




「何言ってんだよ。ひとりとふたりは全然ちげぇだろ」




「そうかね」


「そうだよ」



……絶対違うよ……。



「もう行くから」


「ちょっと待てよ、はいこれ」



そう渡されたのは、いつものサンドイッチだ。



「今日はハンバーグだってさ。」



「ふーん」



興味無さそうにするけど、ほとんとは今日はどんな具なのかと楽しみだったりする。


「ここどこの?」



「知りたい?てか、そんなに好きなんだ?」



「は?知りたいって言ったんだけど……ま、いーや、あんたと話してると夜明けそうだし」





「さっき夜が開けたばっかだしっ!」




そんな声が聞こえたけど、無視して学校へと向かった。