「これして」
手渡される手ぬぐい。
「これ必要?」
「手ぬぐい無しにしてスイカ割りなし!」
「意味わからないわ。てかメロンじゃないわけ?」
「手ぬぐいしないなら俺がつけてあげるけど」
「結構!自分でやるので」
なんか、最近あいつのペースに載せられてる気がするのは私のきのせい……?
「これ、野球のバットな」
「思いっきりやっていいから」
「日頃のあんたの恨み込めてやるから」
そう言って私は両手を腕まくって気合いを入れた。
「俺にそんな恨みあるかよ?てか、ほどほどにしろよ」
そんな私の様子を見て呆れながらも笑う。
「俺が案内するから!」
「しっかり案内しなかったら私特製の超絶美味しくない味噌汁飲ませるから!!」
「なんだよ、それ」
「ま、いーか。右右!そう!ちょっとだけ、左。ストップ!それでまっすぐ前。よーし、そこだ!」
「行けっ!」
ーードカっ
「当たったーっ!て、ぜんぜっん、割れてないじゃん」
手ぬぐいをとってメロンを見るけど、さっきと変わりがない。
「俺への恨みがなかったんだな」足りない
「それはない!めっちゃ込めた!込めすぎた!」
「ま、メロンだからな。俺に任せろ!」
手ぬぐいを自分でし、バッドを持った。
「乃愛!案内よろしく!」
「うん!任せてっ!」
と、ニコッと口角を上げた……。
「右!うーん、もう少し左!斜め右に進んで……そこ!」
私がそういった瞬間ブラウン男は思いっきりバットを振り下ろす姿を見て私は思わず「あっ……」と声を出した。
ブラウン男が思いっきり下ろしたバットはメロンではなくメロンとは程遠い場所に下りた。
それと同時に響くブラウン男の悲鳴……。
「いってぇー」
「っはははーっふふ」
「わざとない所に誘導したな?」
「ふふっ。ははっ、おもしろい」
「なんだ、笑えるじゃん。」
「え?」
「お前の笑った顔が見えた……。」
「何ブツブツ言ってんの?」
「いや!そんな笑ってくれるなんて光栄だな。てか、激痛なんだけど、どうしてくれる?」
「だって、どーみても騙される方が悪いでしょ?てか、それ包丁で切れ目入れてやらない?」
「あぁ、そうだな」
それから、包丁で、少し切れ目を入れたらすぐ二つに割れた。
種をとり、大きなスプーンを持ち、2人距離を置いて芝生に座った。
「んー、おいしー」
「見た目は散々だけどな。味はさいこーだな」
「うん」
「てか、超絶美味しくない味噌汁ってなんだ?」
「あーそれね。昔味噌汁作ったんだけど、それが罰ゲームとかで出せるだろってくらいまずくてさ」
「」
……楽しいって思ってる自分がいた。
それと同時に体内に響き渡る警音器。
これ以上近づくと、
これ以上距離を詰めると、
傷つくと心が知らせるーー。

