屋上の扉を開けると、そらはもう暗かった。
もう、そんな季節なんだなぁ……。
そんなことを思ってると
「やっぱ来た」
ブラウン男に声をかけられた。
「ここしか居場所ないし」
「何言ってんだよ。おれらの家があるじゃんか」
「……でなに?」
「まぁまぁ、楽しみはとっといて、ほいっ」
「なに?」
「びんのこーら」
「キンキンに冷やしたからさいこーだぜっ」
「かんぱーいっ!」
静かな屋上にやたら大きいブラウン男の声とカチンと瓶の当たる音が響く。
「じゃあ行くね」
「ごめん……っ」
そんな言葉が聞こえたと思ったら、腕を掴まれた。
「え?」
「行くな……あいつのところになんか行くなよ……」
「……は?」
ヒュルヒュル〜パーン……ーー
乾いた声がひびいたとおもったら、次の瞬間私たちの背後に花火が打ち上がった。
「うわーきれぇー」
私は花火に目を取られ小走りで柵に近寄り、花火を見た。
「たな」
少し距離を置き、私の隣に立った陽向。
「うちの高校って花火打ち上がるんだ」
「知らなかったのかよ」
「悪かったわね!
「俺はてっきり知ってたから屋上来たんだと思ってた。ただ俺に会いたかっただっただな」
「はぁ?!なんでそうなるわけ?!」
「そんな照れんなって。てか、去年サボってたからな」
「うっさいなー。」
「最終日は、花火が上がって、その後出席かあるわけ。」
「なるほどね。だから、私はサボリ扱い受けたわけだ」
「さぼってただろ?」
「はいはい、さぼってましたよー」
「すげー棒読みだったぞ」
いつもの痴話喧嘩みたいな会話だけど、花火が上がってるせいかあまりむかつかなかった。
「文化祭おつかれーっ」
大きな花火を目の前に2回目のかんぱいをした。

