涙花が咲く頃に



次の日、家の中は騒がしかった。


「そこ邪魔ー」



「俺がさきだかんな!」


ふたりしてパニックで、どこを歩いてもブラウン男と鉢合わせになる始末。




ブラウン男は目覚ましをセットし忘れ、私は私で昨日昼寝で夜の5時にセットしたらフリーズモードににしといたみたいで鳴らず、いまは朝の8時すぎ。




「もー最悪……」




「つべこべ言わずに行くぞ!」




「いやにきまってんでしょ!さきいって」




「アホか。遅刻するぞ!2ケツで行くぞ」




「いや!絶対いや!死んでもいや!」




「じゃあ今だけ死んだつもりになって」




「それ、前も言ってたし!」




「横向きに乗ればへいきだから。」




しかたなく、わたしは自転車の後ろにまたがった。


「はぁ……」




「超絶スピードでいくから捕まってろよ」




「え!安全運転でってきゃぁーーー」


せっかくストレートにきた髪は風に吹かれぶさんな状態になってるし。





「はぁ……最悪」

学校についた頃には髪はお化け見たくなってて、




「いーじゃん!おばけやしだろ?そのままいけば」



「あ、そっか!ておい!」

「お前が悪いんだかな?」

「はぁ?!お互い様でしょ?」

「しょーがねぇからそうしてやる。」



二人で言い合いしてるとあるとこにきずく。
いつもなら、騒がしい自転車置き場も今日は不自然なほど静かだった。




「文化祭の日はみんな朝早いんだよな」




「じゃあ、いこーぜってあれ乃愛?」




「私先いくから」



じゃ、とかるくみぎてを挙げ、教室へと向かった。