「よし、着いたぞ」



駅を出ると目の前にはショッピングモール。



「わざわざ大きいお店来る必要なくない?」



「俺、マフラーと手袋ほしいんだよね。だから付き合って」



「は?」



「まだ朝早いし、人いねぇから大丈夫行くぞ」



そう言って、私はあちこちブラウン男が好きだというお店を嫌っていうほど付き合わされたのだった。



「乃愛が選んでくれたマフラー大切にするわ」



にこっとしながらマフラーの入る袋をぎゅっと抱きしめてた。



その光景が昔の自分と重なって目をそらした。




「乃愛?」




「てきとーに選んだだけだから」




「それでも嬉しい」




「なんで黙るんだよ?ジュース買いに行くぞ」




先を歩くブラウン男の後を小走りで駆け寄った。