「ほんとお前芝生好きだな」
気が付けばブラウン男が隣に座っていて。
「ちょっと隣りこないで!」
そう言って二人の間には人一人分の距離があく。
「空っていいよなー」
「ねぇ」
「ん?」
「寂しくない?こんな大きい家にひとりで住んでて。まだ高校生なのに」
「もう慣れた」
そう君は言ったけど、私はそうは思わない。
だって君が切なさそうに空を見上げていたから。
私だってそう。
あんな狭い部屋に居るだけだって寂しさに押し潰されそうになるのに。
こんなに大きな家にひとりでいたら誰だって……。
「てかさ、この家3階あって、そこBBQできるくらい広いんだよ。秋冬は涼しくなって星が綺麗なんだ。今度見よーぜ」
空を見上げるのは好きだけど、夜の空は好きじゃない。
綺麗な青空に映し出されから。
あの頃の
傷も知らない
純粋だったあの頃が__……

