涙花が咲く頃に




「これ」



キッチンで飲み物を注いでるブラウン男にノートの端を切って書いたある紙渡した。



「なに?ラブラターとか?」



開くと、ブラウン男の眉が寄るのが分かった。



「なにこれ?」



「一緒に住む条件」



「多いんだけど」




✡✡✡

・必要以上は話しかけない

・私には一切触れない

・学校では話さない

✡✡✡




「たった3つだよ。破ったら、即刻出ていくから」




「一切って」



「もし、私に触ったりしたら、倒れるからね。」




「朝起こす時は?」



「ぜーんぜん!心配いらない。スパッと起きれるはだから」




「これ守ってね!あんたが女と遊びほけてたって私気にさないから」



「じゃあ、俺からも」




「俺は料理担当。で、乃愛は洗濯と、トイレ掃除と、風呂掃除と、ごみ捨てと「ちょっと待って!」




「え?」




「なんか、不公平じゃない?」




「そう?大丈夫。買い物は俺と乃愛で二人で行くから」




「そうじゃなくて……!てか何回言えばいいわけ?私は人嫌いなの!買い物とか絶対行かないから!!」




「ここに分担表貼っておくから」






この男とは、合わないそう思った。


「あ、それと、これから2時間くらい出るけど、ご飯は一緒に食べような。なんか好きな飲み物ない?」





「ない。」




「じゃあ行ってくるなー」




壁に貼られた紙を見た。




ブラウン男は、料理だけ。




私は、洗濯、食器洗い、ごみ捨て、風呂、トイレ掃除……。





料理と食器洗いは普通セットでしょ!




後片付けまでが料理だ的なのを学校で言われた気がする。




て、そういう問題じゃないかっ!




ブラウン男がでかけた後
あたしは外の空気を吸いたくて、二階のバルコニーへ向かった。






そこにいつものように寝っ転がる。






そして、目をつぶった。







「乃愛っ!いつまで寝てんだよ。もう8時半。食べるぞ」


「いらない!」



「食べないと」



「いらないって言ってるでしょ!一食食べなくたって死にやしないよ!」



それだけを言って、自分の部屋に向かった。






一緒に住むとは言ったけど、それは私に心に入って来ていいと言うことじゃない。

ずっと一人暮らしをしてきた私にとって家の中で人に会うのは本当に辛いこと。


これは私のわがままなのだろうか。




ノックの後に


「乃愛?ここにご飯置いとくからちゃんと食べろよ。あと、風呂沸いたから先入って。タオルなかったら俺に声かけて」





私は返事をしなかった。




だけど、お風呂に入るために、着替えを持って下に降りた。




「広っ!」



どこを行っても広くて第一声にこの一言が出てくる。









「はぁ……」


湯船に浸かりながら何度目になるかわからないため息をこぼす。



まだたった数時間しかいないのにもう、すごく疲れた。



髪を乾かし部屋に向かおうとして階段へ向かう途中ブラウン男に出くわしてしまった。


「なに?」




「はいよ」




そう出されたのは、私の大好きな紅茶のペットボトルだった。




「なんで?」




「いっつも芝生でこれ飲んでたから。近々に冷やしたから風呂上りには最高だぜ」





「……ありがと」




そう一言だけ残して早足で部屋に向かった。




部屋にもどって床に寝っ転がってたけどなんだか空が無性に見たくなってこっそり玄関を出た。




広い庭には芝生もあって、そこに私は腰を下ろした。




そしてブラウン男にもらった紅茶を飲み干した。