そして放課後。
文化祭の準備が終わって屋上へ向かった。
屋上のドアをゆっくり開くと、待ちくたびれたと言わんばかりに地面に大の時になっていた。
近付いて声をかけたが返答はなく、スースーと寝息が代わりに聞こえてきた。
上から彼の顔をのぞき込むと、すーっと筋の通った高い鼻。
薄い唇。
ブラウンカラーの髪はサラサラで……。
それは、女の私から見ても羨ましいくらいで。
欠点がない確かに整った顔で。
学校1のイケメンて言われてるのもわかる。
気持ちよく寝てるから起こすのも悪いと思い塀におっかかり空を見上げた。
「ん……?あれ俺寝ちゃったのかって、おせぇから待ちくたびれたよ」
「あんたが寝てるし待ちくたびれた。」
「お互い様だな。」
「で、どっちか決めた?」
「あのさ、なんであたしなわけ?」
「は?」
「学校1のイケメンで遊び人のあんたなら選び放題じゃん。なんであたしなの?」
「んーなんでだろ?お前がいいと思ったんだよね、のあちゃん」
「あたしの名前呼ばないで」
「俺のこと嫌い?」
「嫌い」
「即答〜じゃあなおさら一緒に住まないとな。」
「はぁ?」
もう、言いたいこと全部言おう!
それで、いっそ嫌われてしまおう!
そしたら、住まなくて済みそうだし!
「噂聞いたんだよね。来る者拒まず去るもの追わずだっけ?最低ね」
「だから?1回きりって約束だし、別に良くない?」
「敵」
「えっ?」
「あんたは私の敵。人間好き人間。」
「敵ねぇ……、ま、いーや。そろそろ返事聞かせて」
心で深呼吸し、覚悟を決めた。
もう、生きてるか死んでるかわからない人生だし……
どーなってもいいや……。
「……分かった」
「ばらされてもいいってこと?」
「暮らしてもいいってこと」
そう言うと、ブラウン男は一瞬驚いた顔をしたが、すぐいつもの顔に戻って……。
「覚悟決めたんだ?」
「もう考えたくもないってこと」
「じゃあ今日からよろしくな」
手を差し出してきたがそれを無視した。
そして、ある言葉に引っかかる。
「は?今日?」
私は目を2倍に開く。
「荷物取りに家帰る?どうする?」
この人には私の声が届いてないのか……?
「一応持ってくる」
「じゃあ、行くぞ」
「どこに?」
「どこってお前んちにきまってんだろ」
「ひとりで行けるって!」
「だーめ。逃げるとダメだから。それに、親に言わないと」
「別にいい。あたしひとりで住んでるから。」
「そっか!じゃあ行くぞー案内しろよ」
ひとり先を歩くブラウン男の後姿を見てこれからの生活が

