ガラガラ…



図書室から出ると、夕日が差し込んでオレンジ色の廊下を作っていた。



ちょうど窓から屋上の鐘も見える。



1度夕日を見て鐘に目をやると…。



「え!…」



あのおじいさんが見えた気がした。



でも、まだ鐘のなる時間にはちょっと早過ぎるし…。



目をこすってもう一度見直すと…。



「……いない?」



そこにはおじいさんの姿はもうなかった。



「見間違いかな…?」



とりあえず筆箱を教室に取りに行き、もう一度廊下を歩いて窓を見るけど、やっぱりそこにおじいさんの姿はない。



最近忙しくて疲れていたんだと思って、図書室のドアに手をかけると…。