高校三年の千帆は、中学時代にいじめられたトラウマからいつも一人でいた。心の拠り所は猫のツキだけだったが、それでいいと思っていた。ところが、突然現れたクロと名乗る青年が「一ヶ月間会って欲しい。その代わり君を変えてあげる」と言い放ち、勝手に話を進めてしまう。
反発する千帆だったが、強引なのに優しいクロに次第に心を開いていく。時に厳しくしながら真っ直ぐに向き合ってくれるクロのお陰で、高校で初めて友達が出来た千帆。喜びを感じ、クロに惹かれていることに気づくが、別れの日が迫っていた。
そして、最後の日。クロは自分の正体がツキで、命と引き換えに人間になれたのだと告げると、タイムリミットと同時に悲しみ泣く千帆の前から消えてしまう。
三年後、夢に向かって頑張る千帆は、いつかクロに会えることを心から願い、何度も思い出の場所に足を運んでいた。すると夏の満月の夜、優しい笑顔の青年が「ただいま」と現れたのだった。