「夢羽降りていいよ」


春輝に声をかけられて、バイクを降りた。


「春輝、ありがと」


「どういたしまして」


「っ・・・」


その微笑みは反則だよ!!!


「夢羽?どうかした?」


「え、ううん!?なんにもないよ!?」


やばいっ!


めっちゃ顔赤い気がする!!


「そう?・・・バイク置きに行ってくるから倉庫に入ってて」


そう言って春輝はバイクを置きに行った。


私は自分の頬に手をあてる。


自分の顔が熱を持っていて。


・・・違う。


違うよ。


ほら、助けられたから。


吊り橋効果ってやつ?


だって私は。


私には裕磨だけなんだから。


好きになっちゃダメだよ。


心臓が破裂しそうなくらいドキドキしてるのも、顔が赤くなるのも、全部。


気のせいだよ。


そんなはずないもん。


私が春輝を好きなんて–––––––。