「えっ・・・どうしたの!?明希ちゃん大丈夫??」


そう言って1歩明希ちゃんに近づく。


「や、だ・・・。いや、ぁ!!・・・こな、い、で・・・!!」


「え?」


なに?


なんかした?


なんで私を見て泣いてるの?


「お前がやったんだろ!?」


そう言った副総長の奏太は、怒っているみたいだった。


「え・・・?やってないよ?どういうこと?」


「嘘つくなよ!てめぇがやったんだろ!?明希がお前にいじめられてるって言ってんだよ!!」


「な、に・・・それ・・・?私はやってないよ!!」


「うっ・・・、夢羽、ちゃんが、ひっく、いつ、も桜嵐に来るなって・・・。わた、しの、亮平を、取らないでって・・・。殴ったり・・・、けっ、たり、するの・・・ぅぅ・・・ひっく」


「お前最低だな」


駿生・・・。


「僕、夢羽ちゃんがそんな子だとは思わなかった・・・。」


李都・・・。


「・・・信じてたのに。」


なんで?


なんでみんな明希ちゃんのことを信じるの?


なんで私を信じてくれないの?


明希ちゃん笑ってるよ?


それ、嘘泣きだよ?


どうして・・・?


・・・亮平。


亮平は?


亮平なら信じてくれるよね?


そう思って私は亮平のことを見る。


目が合うと亮平は口を開いた。


「夢羽、お前を姫からおろす。」


「な、んで・・・!!私はやってないよ?ホントだよ!!信じてよ・・・!」


「出てけ。」


冷たく。


冷たい声でそう告げられる。


「お前を姫からおろす。早く出てけ。川崎。」


"川崎"


他人行儀な苗字呼び。


それが辛くて、悲しくて。


私は倉庫から走って家を出た。


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