『送ってく』


それは私に向けられていた言葉。


でも今は、明希ちゃんに向けられている言葉。


私は姫だから。


仕方なく送ってくだけ。


明希ちゃんは好きだから送ってく。


本当に守りたいのは明希ちゃん。


私はどうでもいい存在。


いらない存在。


家に帰ってそんなことを考える。


独りなんだよ。


家でも。


家族はいない。


お父さんもお母さんもいない。


独りぼっちの部屋。


いつだってひとり。


桜嵐だけが私の居場所なんだよ。


だから取らないで。


もうひとりにしないで。


独りになんてなりたくないよ・・・。