それから、こういうことが何度かあった。

私は結局、なにも言えないまま…

時間は過ぎていった。

そして、今年も体育祭の季節になった。


「杏〜リレーそろそろ集まらなくちゃだよ」


「んー…」


「まさか、またなるなんてね」

そう、私は去年と同じ、リレーのアンカーになってしまった…。


「ほんっとにありえない」


「まぁ、担任同じだし。去年、結果出したから仕方ないっちゃー仕方ないけどね」

苦笑した棗が言った。