「その髪、どうしたの?」

 ジャレついていたから、勢いで聞いた。

 ずっと気になっていたんだ、右は長くて左だけ短い髪の理由。

 オナガの勢いに任せての質問にベニハシは無口な口を一文字に結んだ。

 「…これは…ミヤマの呪い」

 それでも話す気はあるらしく、不自然に伸びた右側の髪の端を引っ張っりながら口を開いた。

 「…ミヤマって?」

 「前に付き合ってた人」

 話題を振ったことを後悔したのは言うまでもなかった。

 前の恋人の話など、嫉妬深いオナガが知りたいはずもない。

 それでも話したい気分なのか、ベニハシは続けた。