家に着くと、思い出したように話しだした。

「そうそう、乃々香、何度も同じ曲を繰り返し弾いてたけど、あれ課題曲じゃないだろ?」

何度も同じ曲を弾いていた…

私は色んな曲を弾いていたはずなのに…

「なっ、何の曲!?」

「―――だよ」

「…そっか」

答えなんて出るはずがないと、相手を想う気持ちだけで、選ぶなんて私には出来ないと思っていた。でも、心の奥底に居る私が教えてくれた。



心の中に居るのはあの人だと…



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