ひりあま―ジンジャーティーに、失恋を溶かしたら―



と、ナイスタイミングで、ドアの表に人が立った。

多趣味そうなマダムの3人連れ。


「お客さんですよ」

「う、うん」


うなずきながらも、ハジメさんはカウンターから出ない。

というか、出られないんでしょーか?

むしろ、じりじり後ずさってるんですけど。


人見知りする人だとは聞いてた。

実際、すごい照れ屋だ。

でも、お客さんを逃すのはマズいって。


あたしは、一瞬だけ考えた。

こんなことやっていいんだろうか、って。


でも、一瞬考えて、結論を出した。

やっちゃったもん勝ちでしょ!


あたしはカウンター席から飛び下りて、ドアに突進した。

満面スマイルでドアを開ける。