ひりあま―ジンジャーティーに、失恋を溶かしたら―



「あたし、けっこうゲーマーなんですよ。

配信されたら教えてくださいね。

絶対、プレイするんで!

というか、どんな役なんですか?」


ハジメさんはパタパタ手を振った。


「な、内緒です」

「じゃあ、勝手に想像しますけど、クールな役でしょ?」

「え……どうして、そう思う?」

「声質がクールですもん」

「わかるんだ……」


明るいか暗いかで言えば、暗い。

どちらかというと、硬い。

やや太めだから、実際より低く聞こえる。

少し、沈み込むような癖がある。


「クールで無口なキャラに似合いそうな声だなって」


正解、と言いながら、ハジメさんは口元を手で隠した。

筋張った手の甲の形がキレイ。