やっと脱走出来たし、
どこ行こうかなぁ…。
そう思っていたら小さい頃よく行ってた
中庭を思い出した。
昼は中庭が開放してあるから
私はそのまま裸足で中庭に向かった。
うん。自然っていいよね。
近くにあったベンチに座って一息つく。
そしたら、少し離れた場所にあるベンチに
まだ小さい男の子が
泣きそうな顔で座っていた。
「どうしたの?
何かあった?」
近寄って下を向いてる男の子に
しゃがんで話しかける。
「……僕、死んじゃう、のかな…」
死ぬ?
「なんで?治らない病気?」
「ううん。手術すれば治るんだけど…。
…難しい、手術で」


