「俺も、ありがとな」 鈴翔は私の耳元でそう言って ギュッと抱きしめた。 驚いて涙が止まる。 「なっ…!!」 「…なぁ、鈴華」 「な、なに…?」 「好きだ」 「…私だって好き、だよ…」 「結婚してくれ」 「そ、それはきちんとしたやり方で 言わないと」 返事はもう決まってるんだけどさ。 「じゃあこっち向けよ」 「…嫌だ」 「向け」 「い、嫌だ」 絶対嫌だね。 恥ずかしい…。 「鈴華」 「…何」 「嫌い」 「えっ?!!!」 「おし、こっち向いたな」 ひ、引っかかった…!!