お兄さんがニコッと微笑んで言うと 戦う前でピリピリしていた空気は一瞬で 消え、全員が私を見る。 そうか、死神が私だってみんな知らないし、 2年前消えた死神がお兄さんに背負われて 目の前にいるんだからね。 「そ、そうだ。兄貴、鈴華は…」 「鈴華ちゃんなら病室で寝てるよ」 「そうか…」 …嬉しそうな顔。 本当はここにいるんだけどね。 「蛍ちゃんは?」 「蛍は家にいる。 ここは危ないからな」 そっか。よかった。