死んでしまった飯田アキラからしても、自分の大切なものを本気で探してくれる人がいるというのは、嬉しいのかもしれない。


「おっと、もうこんな時間か。じゃ、俺は行くから」


そう言い、慌ただしく立ち上がる近藤先輩。


「もう行くんですか?」


「あぁ。今日は君たちに報告をしに来ただけだからね。それに、ひと夏の彼女を待たせちゃ悪いしな」


近藤先輩は自分で言って自分で頬を赤くし、ファミレスを出て行ったのだった。