「なんなの、アンタ。また同じクラスとかほんと最悪なんだけど〜」
「なに? 私たち呪われてる〜!?」
壁に押しやった女の子に、ガラの悪そうな女子4、5人が責めかかっていた。
いわゆる、“イジメ”。
周りはざわついていて、そのまま通りすぎてく人ばかりだった。
私も、正直どうしていいのかわからない。
だけど……、
私はチラリと奏を見る。
……やっぱりだ。
青ざめたような、恐い顔でその場を見ていた。
奏は昔から、弱い者イジメとか、こういうのは嫌いなタイプだった。
だから、今回も……。
「…わりぃ、サクラ。これ持ってて」
目も合わさず、私にカバンを渡してきた。
「あ、うん」
受け取ったのを確認すると、奏はその場まで真っ直ぐ歩く。


