A secret word 〜心に秘めた想い〜





学校の近くまで来ると、騒がしい声が聞こえてくる。


それもそうか。


クラス替えだもんなあ。



私は何組だろ……。


奏と一緒がいいな…。


前に進もうとしても、前にたくさん人がいて、見ように見れない。


「わっ……!」

さらに後ろから押されて、痛い。



すると、


──グイッ



「ったく、バカ。んな焦んなよ」


奏が腕を引っ張って、私を助けてくれた。


「ご、ごめん。ありが……」

「サクラちゃん。紙は逃げませんよ〜?」


「なっ…!」


人がせっかく“ありがとう”と言おうとしたのに、ムカつく〜っ。



でも、

「サクラはそこで待ってて。俺が代わりに見てくるから」


こうやって、ちゃんと優しさがあって、

だからこそ私は余計に好きになってしまう。



ジっと立ってると、奏が戻ってきた。



どうなんだろ……。


一緒なのかな。

それとも、離れたのかな…。



「サクラ……」


え……



「離れちまった……」


「ウ、ソ……」


最悪だ……。


1年間、奏と離れ離れ…!?


ショックを受けていた私に、


「ぷはっ! そんな落ち込むなよ、ウソだし」


「もうっ! ひどいよ!」



あれ?



「てことは、同じ?」


「あぁ、1年間よろしく」


ヤバい……。


すっごく嬉しい。