授業中、チラリと奏を見る。 名簿順の席だから、奏は一番前。 私は「は行」だけど、真ん中あたりで奏がよく見える。 意外とちゃんとノートとってるんだなあ。 奏のくせに、そういうとこ真面目なんだから なんて、口元が緩んだとき栗川さんがチラチラと私を見ているのに気がついた。 ビクリと肩が跳ね上がった。 ハッと我に返って、黒板に目を向けた。