「チッ…」
…?
今の舌打ち…?
廊下とは逆の方にゆっくり視線を向ける。
そこには、窓の壁にもたれかかっている女3人が、奏たちの方を見ていた。
よくよくその子たちの顔を見てみると、クラス替えのとき栗川さんに悪く言ってた子たちだ。
『なんなの、アンタ。また同じクラスとかほんと最悪なんだけど〜』
『なに? 私たち呪われてる〜!?』
あのときは4、5人だったけど、リーダーであろう北野(キタノ)さんはこの前もいた。
「だいたい、アイツなんなの!?」
明らかに不機嫌な北野さん。
「浅海くんの彼女とからしいけど、勝手な被害妄想なんじゃないの~?」
「あんなダサいやつが、なに浅海くんに色目遣ってんだよって」
北野さんのグループは、バカにするかのような笑いが起きていた。


