話し終わったあと
「そっか。よく頑張ったじゃん」
そう言って、私の心を軽くしてくれた。
「話、聞いてくれてありがと……」
少しだけ流れてる涙を流しながら、お礼を言った。
「話聞くくらいなら別にいい」
怖い人かと思っていたけど、すごく優しい人だった。
「うん、ありがと」
「俺、雪森 類(ユキモリ ルイ)。お前は?」
「私は、春野 桜です」
「ふーん。サクラね。つかなに、今更敬語?」
「い、や……だって雪森くんのこと見たことないな、て…。先輩かと」
ほんとに今更だと思ったけど。
さっきはそんなこと考える暇なかったから、
今更ながら先輩だったらどうしようかと思った。


