苦しくて、今まで出せなかった涙を流していたときだった。 ──バサバサっ。 「え…っ」 本が落ちる音がした。 嘘……。 まさか誰かいる…!? 怖くて、ドキドキしながらも音のした方に、そっと近づく。 ……ドクン、ドクン。 そっと…。 ゆっくり長い本棚を見た。