でも、そんな時間はあっという間で 「──っ浅海くん!」 「“栗川”」 ──ドクンっ…。 背後から、可愛らしい女の子の声が、奏を呼んだ。 焦ったように奏を呼んだこと。 そして、 呼んだ相手は、奏の彼女……栗川さん。 私の胸は、それだけで大きな痛みが感じられた。