──ジャー…

キュッと音を立てて、手洗い場の水を止める。


目の前の鏡を見ると、なんともブッサイクな顔が……。


ううん。

ダメダメっ!


もっと前みたいに明るくいかなきゃ、いいことなんてないままだ。


よし、と濡れた手で顔をパンパンと叩いた。



ハンカチで手を拭きながら、教室に入ろうとすると



──ドンっ!!


誰かの肩とぶつかってしまった。



「…っ、すみませ……」


謝ろうと、頭を下げると



「──サクラ?」

分からないわけがない。



この声は、


「っ…奏」