──キーンコーンカーンコーン……。 静かな教室や廊下に鳴り響いた、チャイム。 そのチャイムの音で、黒板に触れていた指先がビクっと動いた。 はっ、と我にかえる。 “好き”と書かれた文字が、指先が触れてたせいで、かすれていた。 軽く、なぞった指の跡が残っている。 まるで、私の恋にヒビが入ってくようで。 誰か来てしまったらヤバいと思い、急いで黒板に書いた文字を消して、学校を出た。