──カッカッカッ…。 黒板とチョークがぶつかる音は、優しくてなんだか心地よかった。 黒板からチョークを離して、置いたとき私は黒板に書いた文字を見る。 ──“好き” たった2文字。 私が奏に言えなかった言葉は、こんなにも簡単に書けてしまった。 優しく、自分の書いた文字をなぞった。